大雪山国立公園連絡協議会

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ヒグマについて

higuma

 

食肉目クマ科ヒグマ属エゾヒグマ(Ursus arctos yesoensis

日本では北海道にのみ生息。比較的冷涼な気候を好む。

体色は黒または赤褐色(部分的に灰色・黄土色が混じる) 。

ヒグマは棲んでいる場所、季節によって食性が変化する。

雑食性であるが、大雪山に暮らすヒグマの多くが植物性の食草となっている。

頭胴長200cm。体重300kg程度。

 

体 形

  • 身体も四肢も造りが太く、一見鈍重そうに見えるが臨機の動作は非常に機敏である。
  • 筋肉も強大で、その気になれば一撃で牛馬の横腹の皮を引き剥がすことも出来、倒した牛馬の生体を引きずる怪力もある。

 

視 覚

  • 昼夜を問わず行動できる視力をもち、目は決して悪くはない。ただ、あまり遠距離の物はよく見えないらしい。

 

聴 覚

  • 聴力に優れ、音に対しては敏感である。
  • 水の滴るような足跡があっても姿が見えないのは、ヒグマがいち早く人間を察知して逃げたもので、聴力に敏感さと警戒心の結果である。

 

臭 覚

  • 獣は臭覚の生き物と俗称されるだけあってヒグマも敏感で、埋めた残飯などもすぐに見つけだす。
  • 土中深く埋めた牛馬の死体を探り当て、これを掘り出して食べることでも分かる。

 

 環 境

  • ヒグマは孤独性の強い動物で、特に人間に強い警戒心を持ち、人を避けて生活している。従って、ヒグマの好む場所とは、人と遭遇しがたい所で、採餌・休憩が出来冬ごもり穴も確保できる地域である。
  • 北海道では、山地・丘陵の森林地帯や、その間の天然草本類の発達地などである。この中には沢地・沼湿地・森林限界上部の山岳地も含まれる。

 

 行 動

  • 冬ごもりを除く時期の一日の行動は、採餌・移動徘徊・休息などで、育児中の母親はこれに子育てが、発情期には発情行動が加わる。このような行動を昼夜の区別なく行っており決して夜行性ではない。
  • また、人を警戒し、同じ種族に対しても孤独性の強い動物であり、人や他の個体と遭遇する頻度の高い地域に生息している個体は、その時間帯や場所を避けて行動する習性がある。
  • 気象条件が悪いときは活動をやめて、安心できる環境に潜み休息することが多い。  

 

ヒグマに襲われないための注意事項

ヒグマは猛獣です。時として凶暴性を発揮し危険な状態になることもあります。
「ヒグマに近づかない」「ヒグマを近づけない」よう十分注意を払いましょう。

 

ヒグマに出会わないために

   登山中の人間とヒグマの出会いは通常、注意深いヒグマの方が先に人間に気がつきます。藪の中に隠れて人間が通りすぎるのを待ち、むやみに姿を見せることはありませんが、降雨で見通しの利かないときや風が強くて音が聞こえにくいときなど、両者共に気づかずに突然出会うときがもっとも危険です。

しかし、人間側の注意により避けることは可能です。ヒグマとの出会いを避けるために、登山に際しては次のことを守りましょう。

 

 1.

入山前に事前情報を調べ、現地の監視員やビジターセンターなどからヒグマ情報を聞くなどし、その指示に素直に従うこと.

2.

ヒグマ対策には、絶対これで大丈夫というものはありません。事前の情報や登山中も周囲に気を配り、危険と思ったら登山計画を変更しましょう。

3.

ヒグマとの突然の出会いを避けるため、鈴など音の出るものをつけて歩くこと。特にトレイルランニングの際は突発的にヒグマと出会う可能性が高いので十分に気をつけましょう。

4.

ゴミ、残飯などを絶対に捨ててはいけません。ヒグマが人間の食べ物を学習し、人に近づく原因になります。必ず持ち帰りましょう。

5.

ヒグマを興奮させないために、犬などをつれて入山してはいけません。

6.

決められた食事の場所を守ること。決められた場所(野営場、キャンプ指定地)で宿泊すること。

 

ヒグマに出会ったら

もしもヒグマに出会ったら、冷静沈着な対応が必要です。その時のヒグマとの距離・ヒグマの行動などにより、それぞれの状況は異なりますが、ヒグマに対して必要以上の驚きや恐怖を与える行動をしないことが大切です。

このためには、次の点に注意を払い対応することが必要です。

 

1.

走って逃げてはいけません。ヒグマとの距離が相当ある場合は、冷静に相手の行動を見ながら退避することが大切です。

2.

ヒグマとの距離が接近している場合、驚いて大声を出したり、物を投げつけるのは禁物です。

3.

ヒグマとの距離が接近している場合、驚いて大声を出したり、物を投げつけるのは禁物です。

4.

ヒグマが至近距離まで近づいてきたら、ヒグマ撃退スプレーを使うなどの行動が必要になります。

5.

小熊の付近には必ず親熊がいるので警戒が必要です。小熊に近づいたり、小熊を驚かせてはいけません。

6.

ヒグマが立ち去った場合、その場からすばやく離れましょう。

7.

ヒグマとの遭遇情報は、後の登山者に重要な情報となりますので、最寄りのビジターセンター・登山口の施設・森林管理署・環境省管理事務所などにご連絡ください。

 

大雪山国立公園連絡協議会

事務局 環境省大雪山国立公園管理事務所 TEL: 01658-2-2574
       東川管理官事務所     TEL: 0166-82-2527
       上士幌管理官事務所    TEL: 01564-2-3337
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